ユニヴログ | 総務人事 #custom_field-コラム他者を理解しようとする力「エンパシー」とは?働きやすい職場作りのために知っておきたい3つのポイント!

他者を理解しようとする力「エンパシー」とは?働きやすい職場作りのために知っておきたい3つのポイント!

総務部です。

前回は心理的安全性についてお話しました(過去記事 『組織の成長を左右する「心理的安全性」とは?生き生きと働ける職場作りのために知っておきたい3つのポイント!』)。この記事で心理的安全性の高い職場には様々なメリットがあることがおわかりいただけたと思います。ただ、良い組織や人間関係を作るために、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか。それを考えるうえでヒントとなるのが、最近注目されている「エンパシー」という言葉です。 今回は、このエンパシーについてお話したいと思います。

1.「シンパシー」と「エンパシー」どう違う?

まず、シンパシーとエンパシーの言葉の定義から確認してみましょう。

(1)シンパシーの定義、エンパシーの定義

 ①シンパシー(sympathy)

  ・〔相手の状態があまり良くない人に対して〕同情、共感、思いやり、気の毒哀れみ
  ・お悔やみや弔意

  ・(政治的な)考え・計画などに対する同意や支持

 ②エンパシー(empathy)

  ・他人の気持ち・感情を理解すること

  ・自分が他人の立場だったらと想像したり誰かの感情や経験を分かち合う能力

   自己移入とも言われます。

(2)それぞれの特徴

シンパシーは、感情や友情、人の気持ちの理解等、どちらかといえば人の内面から出てくるものです。また、辛い、苦しい人や、問題を抱える人等、考えや理念に同意できる人や、同じ様な意見や関心を持っている人等が対象となります。

 

一方、エンパシーは感情移入や共感する能力で、身につけるものと言われています。シンパシーとは違い、対象となる他者に制限や条件がありません。

 

つまり、シンパシーは、かわいそうだと思う相手や共鳴する相手に対する心の動きや理解、それに基づく行動のことであり、エンパシーは、特にかわいそうとかではなく、必ずしも同じ意見や考えを持っていない相手に対して、その人の立場だったら自分はどうするかと想像する知的作業と言えます。

シンパシーとエンパシーの特徴

シンパシーとエンパシー

2.上司と部下の会話からみる職場のエンパシーの具体例

 

次に、エンパシーを理解するために職場の上司と部下の会話をもとにした具体的な例を見てみましょう。

(1)部下から上司へのエンパシー

①「上司へのエンパシーが欠如した部下」の例

 

上司  「この間頼んだ顧客への提案書の件だけど、進んでる?」
部下の気持ち (うーん・・・・まだできてないっていうのも、あれだし、あんまり心配かけたくないしな・・・)
部下

「あ、はい・・・大丈夫です・・・」

上司の気持ち (ん?なんかへんな間があったけど?本当に大丈夫なのかなぁ?もっと具体的な現状の報告が欲しいのになぁ・・・)

 

 

 

②「上司へのエンパシーを意識した部下」の例

 

上司  「この間頼んだ顧客への提案書の件だけど、進んでる?」
部下の気持ち

(!進捗が気になっているんだな。状態を理解しやすいように具体的に報告したほうが良さそうだな。)

部下 「進んでます・・・今日中に仕上げてメールでお送りしますので確認をお願いします。修正期間含めても三日後の客先提出期限までには余裕をもって進めています」
上司の気持ち (余裕をもって進めているのなら安心だな)

 

 

 

 

(2)上司から部下へのエンパシー

①「部下へのエンパシーが欠如した上司」の例

 

上司  「急で悪いんだけど、明日、社長へ提出する必要があるのでデータをまとめた表を作ってくれないか。急ぎでよろしく!」
上司の気持ち (自分でやろうと思ったけど、忙しいから手が回らなかったよ。ちょっと強い口調で急ぎでって部下に頼めばなんとかやってくれるだろう)
部下 「うぁあ、もう仕事いっぱいなのになぁ…もっと早くに言ってくれれば・・・でも、文句いえないしなぁ・・・」
部下

「・・・はい・・・・

・・・・・・わかりました・・・」

 

 

②「部下へのエンパシーを意識した上司」の例

 

上司  「急で申し訳ないけれど、このデータをまとめた表を作ってくれないかな?明日社長がどうしても必要だと言ってるんだ、もし今優先する業務があるようならそれを私が調整しよう」
上司の気持ち

(急に急ぎの仕事入れたら部下は困るだろうから、私のほうで仕事の優先順位の調整をして彼を軽くしてあげなきゃ…

部下の気持ち 社長にすぐ作るよう無理を言われたのかな。今持ってる業務を調整してくれるなら、すぐに取り掛かれそうだ
部下 「はい、わかりました!」

 

 

相手の立場や状況を考慮し、エンパシーを意識することで、お互いが安心して仕事ができる環境を整えることができます。

3.なぜ今、エンパシーなのか

ところで、なぜ今、エンパシーという言葉が話題になっているのでしょうか。考えられる主な理由は次の2つです。

(1)社会の分断化に対する不安感

コロナ禍での行動制限によるストレスや、ウイルス感染の不安の中での同調圧力、自粛警察といった動きもあります。また、最近の政治家の言動等にエンパシーの欠如を感じる人もいるでしょう。この様な、人と人との繋がりを断つような行動や発言を、多くの人が不安視していることが挙げられます。

(2)価値観の多様化と互いの理解を深める必要性

さらに、ジェンダーや世代間ギャップ、経済格差や異なる文化の共生など、現代社会では様々な課題が発生しています。それにも関わらず、私たちがこれらの課題の背景や価値観の相違を正しく理解できておらず、学校教育等でも十分に対応できていないといったことも理由のひとつです。

 

このような状況のもと、他人の立場に立つという「エンパシー」の考え方が注目されているわけです。これは当然の流れと言えるでしょう。

4.まとめ

いかがでしたか、今回は、最近注目されている「エンパシー」についてお話しました。

(1)今回のポイント

・ シンパシーとは、共鳴する相手に対する心の動きや行動のこと

・ エンパシーとは、その人の立場であれば自分はどうかと考える知的作業のこと

・ 分断の時代と言われる今、他人の立場に立ってみるということが求められている

(2)エンパシーを深めることわざ 「他者の靴を履いてみる」 

他人の立場に立って物事を考えるという場合に、英語のことわざで「他者の靴を履く(put yourself in someone’s shoes)」という表現があります。

 

以下は「他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ」の著者であるブレイディみかこ氏(ライター・コラムニスト)が、NHKの番組に出演した際のインタビューからの引用です。

(インタビュアー)「どうしても分かり合えない、理解できない人の靴というのは履かないといけないのでしょうか。」

 

(ブレイディみかこ氏)「今、分断の時代といわれています。非常に切実な問題かなと思いますけど、でも分からない人の靴だからこそ履いてみないと、どうして自分が分からないと思うような行動や発言が出てきているかって分からないですよね。そのバックグラウンドを知ることによって、もしかしたらうまく説得できるようになるかもしれないし、効果的にその人を変えることができるかもしれない。そういうことを拒否して、最初からもう靴を履かないって諦めてしまうと、石を投げ合うことにしかならないので、物事は何事も解決しないし、前に進まない状態になると思います。」

引用元:NHKクローズアップ現代+ 2021年7月8日(木)「他者の靴を履いてみる~無意識の偏見を克服するヒント~」

 

さて、皆さんはどの様にお感じになったでしょうか。

私たちユニヴライフは、働きやすい職場を作るため、お客様に満足していただけるため、各自が「他者の靴を履く」ことで、エンパシーを高めたいと思っています。これからも 皆様に愛される企業として前進します。今後ともユニヴライフを宜しくお願いします。

 

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