災害でも火災保険金が受け取れない!? 免責金額の設定にはご注意を! | ユニヴログ

災害でも火災保険金が受け取れない!? 免責金額の設定にはご注意を!

保険事業部です。

今年は、地震、大雨、台風と自然災害が続いています。すでに火災保険や地震保険に加入し、まさかの場合に備えておられる方も多いと思います。災害が起きた時、保険金が受け取れれば安心ですね。ただその場合でも免責金額を意識していないと、受け取れると思っていた保険金がもらえないという場合があります。そこで今回は、火災保険の免責金額についてお話ししたいと思います。

1.免責金額とは自己負担額

火災保険の免責金額とは、保険金が受け取れるような災害や事故が起きた場合でも、加入者が自分で負担する必要がある金額のことをいいます。自己負担の方法には、「一定の免責金額を定めて、被害額からその免責金額を引いて支払われる」免責方式(エクセス方式)と、「一定の損害額を超えたら全額が支払われる」フランチャイズ方式の2種類があります。例えば、免責方式の20万円と、フランチャイズ方式の20万円を比較してみましょう。

(注)どちらの場合も、保険金の支払限度額を超えていないものとします。

(1)免責方式(エクセス方式)

免責金額が20万円ですので損害額が19万9千円の場合、保険金は支払われません。損害額が20万1千円の場合、免責金額(20万円)をマイナスした後の1千円(20万1千円-20万円)の保険金が支払われます。

(2)フランチャイズ方式

この場合も、損害額が19万9千円であれば保険金は支払われません。ただし、損害額が20万1千円の場合、免責金額の20万円を超えていますので、全額20万1千円の保険金が支払われます。

 

保険会社からすると、損害の大小にかかわらず事故処理の労力はかかります。その際、免責金額が設定されていれば小さな損害の請求が少なくなり、人件費を省くことができます。一方、加入者側からすると、免責金額を高くするほど保険料は安くなりますが、災害や事故が起きれば、自己負担額は大きくなります。

 

なお、金融自由化前には、損害保険各社の共通商品であった「住宅総合保険」などでは、補償の一つである風災、雹(ひょう)災、雪災については、「損害が20万円以上になった場合に保険金を支払う」といった規定がありました。以前、火災保険を長期契約した方は、この規定が適用されている可能性がありますのでご注意ください。

 

2.免責金額は、保険会社や商品で違う

免責金額の設定方法は、保険会社や商品によって違います。これは、マンションや一戸建てなどの建物構造の違いや、地域環境なども火災保険に関係するためです。火災保険の免責設定の一般的なものは、免責無し~10万円が多いようです。保険会社や商品によって、免責方式とフランチャイズ方式のいずれかを選べる場合と、どちらか一方しか選べない場合があります。

 

また、免責方式であれば、すべての補償を一括で免責設定する場合もあれば、補償ごとに免責設定ができる場合もあります。免責金額は一括で設定する方が簡単でわかりやすいですが、補償ごとに個別に設定する方が、無駄を省くことができます。

 

なお、地震保険には、このような免責金額を設定することはできません。どの保険会社で加入しても、地域と構造によって保険料が決まります。

 

3.免責金額を決める際のポイント

このように、免責金額の設定次第で保険料負担を軽減することができます。ただ、保険は本来、自己負担が大きい損害に備えるものですので、保険料が安くなれば良いというものでもありません。免責金額設定時には次の3点に注意する必要があります。

(1)リスクを考慮する

第一に、補償の対象から外して良いか、免責金額の設定に問題がないかを事前に確かめることです。地域のハザードマップ等で情報を入手し、自宅や保険対象地域の災害の可能性を確認しましょう。特定の災害が起こる可能性が低ければ、補償を外す場合もあるでしょうし、リスクが高ければその考慮は必須となります。

(2)補償内容や免責金額を意識しておく

第二に、補償対象項目や補償から外した項目、設定した免責金額を理解したうえ、必要時には、すぐに保険証券等で確認できる状態にしておくことです。これらを把握しておかないと、損害発生後、保険金を請求する際に、想定したよりも保険金が少ないと感じることになるかもしれません。また、補償を外したり、免責金額の変更をする場合にも手間が省けます。

(3)支払い可能な範囲にする

第三に、自分が支払える金額の問題があります。最近では、免責金額の上限が20万円以上の保険も発売されています。ただ、リスクにもよりますが、免責金額は10万円くらいまでとするのが一つの目安と言えそうです。災害はいつ起こるか分からず、自分が払える金額に余裕を持つ必要があるためです。なお、長期契約の場合は、今、自分が負担できる額だけではなく、契約期間中の余裕資金の変化についても考慮が必要です。

 

 

4.まとめ 

今回は、火災保険の免責金額についてお話しました。ポイントは次の通りです。

(1)今回のポイント

・免責金額の決め方には、免責方式とフランチャイズ方式がある

・免責金額は各社ごと、商品ごとで違う

・発生可能性の高い災害には免責金額を設定しない

(2)定期的に保険の見直しを

火災や台風など、災害はいつ起こるかわかりません。保険に加入した翌日に被害にあう場合もあります。何も起こらなければ、免責金額を高めに設定したことでトクをしたということになりますが、先のことは誰にも分かりません。結局のところ、保険料の安さを優先するか、安心を優先させるかで迷うことになります。

 

ただ、この場合、保険期間を1~5年くらいにして定期的に見直すことでリスクを軽減することは可能です。総務省の統計では、住宅の出火件数は過去10年間で見ると減少傾向にあります。これは、消防法や建築基準法の改正によって火災が起こりやすい環境が改善されていることや、住宅設備機能の向上などがその理由と考えられます。

 

このように、身の回りのリスクや技術の進歩に注目しながら、3年~5年程度で補償の見直しをするのが賢いと言えるでしょう。また、古いタイプの補償の見直しや免責金額の設定方法については、保険の専門家に相談することをおすすめします。

 

私たちのまわりには様々なリスクがあります。どんなリスクがあるか、どんな補償(保障)を付けるべきか、その都度アドバイスできるパートナーが必要ではないでしょうか。損害保険も、生命保険も、保険のことなら保険事業部へ。

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