大規模修繕に踏み切れない賃貸オーナー様へ『修繕の必要性』と『費用問題をクリアする4つのポイント』
「見た目もそんなに劣化していないのに、大規模修繕は時期が来たら必ずやらないといけないの?」「資金に余裕がなくて、やりたくてもできないよ。」
賃貸物件を所有されているオーナー様から、大規模修繕についてお悩みの声をよく聞きます。
大規模というだけあって、大掛かりで相当な費用が発生する工事になりますので、同じような悩みを持たれているオーナー様は多くいらっしゃると思います。本記事では、そんな悩みを解決する為に【大規模修繕の必要性】と【工事費用問題をクリアする4つのポイント】を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください
1.大規模修繕を避けられない3つの理由
(1)建物の安全を維持するため
大規模修繕の第一の目的は「建物の安全を守るため」です。建物は必ず劣化します、放置してしまうと取り返しのつかない被害になる可能性がありますので、被害が出る前に修繕しましょう。
①経年劣化による外壁の落下事故を防ぐ
外壁は「日照」「湿度」「地震」などが原因で老朽化し、ひび割れ・剥離・浮き上がりが発生します。その状態を放置すると、タイルやモルタル等の外壁材が落下してしまう事故に繋がり、落下した外壁材が通行人に直撃して、怪我を負わせたり、死亡にまで発展するケースもあります。
もし、怪我をさせてしまった場合は、所有者責任を問われる場合がありますので、事故が起こる前に劣化症状が出ている箇所を補修しましょう。
②防水の劣化による漏水事故を防ぐ
雨は、屋上やベランダ、外壁の劣化部分から侵入してきます。漏水事故が起きてしまうと、漏水箇所を判明するにも、時間と労力を費やすことになり、高額な費用も発生します。漏水事故が起こる前に、防水工事を行うことにより、余計な調査費用を抑えることに繋がります。
(2)資産価値の維持のため
建物は、時間の経過とともに劣化します。劣化が進むと建物の資産価値は下がってしまいます。資産価値を維持するためには、適切な時期に修繕工事を行い、建物としての機能、見栄えを回復させる必要があります。
しっかりとした修繕工事を行うことにより資産価値は新築当初に近い状態にまで回復させることも可能です。
(3)入居率を維持するため
入居率を維持する為には大規模修繕は必要と言えます。お部屋を探す際に【新築や築浅】を条件としても、わざわざ【経年劣化しているマンション】を条件とされる方はいません。家賃が低くても室内や、外観が古く年季が入っている建物はどうしても空室が多くなります。
入居率を維持する為にはまず、清潔感や見栄えを変える目的とした修繕工事を行いましょう。
室内の住宅設備のリニューアルまでお考えの方は、こちらの過去記事をご覧ください。
募集家賃を下げる前にオーナー様にぜひ見て頂きたい!住宅設備リニューアルが空室対策として有効に働くという話
2.適正な修繕の周期を知り、優先順位を明確にして計画を立てましょう
(1)主な修繕の周期
大規模修繕の主な工事は12年周期と考えられています。
その理由としては下記の3点が考えられます。
①外壁塗装の耐用年数が10~12年
防水や塗装に使用されている塗料の耐用年数が10~12年程度の物を使用されていることが多く、塗料の浮き、ひび割れ、色あせの進行が始まります。
②建築基準法の改善による義務付け
2008年4月1日の建築基準法改正により、「竣工または、外壁改修後10年を経過した外壁がタイル貼り等のマンションは、3年以内に外壁の全面打診調査または、修繕工事のどちらかを行わなければならない」と義務付けられています。全面打診調査を行う際には足場を組み立てる必要がある為、同様に足場が必要な大規模修繕工事を同時期に実地される方が多いです。
出典:国土交通省 建築基準法第12条に基づく定期報告制度が変わります
③国土交通省のガイドラインで表記
国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインの計画期間の設定で周期12年~15年程度といった文面の表記があります。
出典:国土交通省 長期修繕計画作成ガイドラインの見直しについて
(2)最優先は「安全」のため
建物の安全のためのタイルの補修・張り替え工事や建物内への漏水を防ぐための防水工事は最優先事項になります。建物の維持や安全に関わる工事を優先して工事内容を組立ましょう。そして、費用と相談して入居率を改善させるための設備や建物のリニューアル工事を検討しましょう。
(3)周期でみる修繕の内容
上記に述べた(1)の主な修繕の周期①~③のように周期目安は12年周期となります。
周期毎の修繕内容の大体は下記のようになります。
- 第1回目の工事では外壁や屋上を中心に塗装・防水工事が主になります。
- 第2回目は1回目の工事に加え、共用廊下のシートや室内設備の更新が必要になります。
※物件の建築素材・管理状態によって詳細は変わりますのでご注意ください。
回を追うごとに工事を行うべきポイントとコストが必ず増大していきます、いずれ来ることになる改修工事の為にしっかりと計画を練りましょう。
ここに注意
後回しにすればするほど大掛かりになります
大規模修繕工事が必要な時期になっても工事を行わず、工事時期を遅らせてしまうと、劣化がさらに進み、最終的に工事をしなければいけない箇所が増えてしまう為、余計に費用がかかり大掛かりな工事になるでしょう。
3.入居率アップのための改修ポイント
(1)エントランス・玄関の改修(事例1)
セブンヒルズ千里山
外観
旧⇒新
外壁タイルの色を明るい色に変更することにより新しさと清潔感がアップしました。
白と黒の配色により、おしゃれに仕上がっており、お客様にも好印象を与えてます。
エントランス
旧⇒新
エントランスは建物に入った際に、一番最初に目に入る場所ですので、広く明るくすることで、マンションのイメージも大きく変わります。
こちらの建物では、奥のガラス面を大きくして、光が入る量を増やしたことにより、広々とした明るいエントランスになって、内覧の際にも好印象を与えてます。
(2)その他設備の改修(事例2)
セブンヒルズ千里山
ゴミ置き場
旧⇒新
以前まではゴミ置き場の中まで見えてしまっていましたが、改修後見えない造りにしたことで、清潔感が出てマンションの美観が非常に良くなりました。
カラスや猫にも荒らされにくくなり、近隣トラブルなども避けられます。
宅配ボックス 新設
コロナ禍により需要が増えている宅配ボックスを新設しました。
美観向上だけではなく、入居率改善のための工事も取り入れております
4.大規模修繕に踏み切れない理由と解決のヒント
大規模修繕に踏み切れない理由として
- 必要な理由が理解できない
- 資金的余裕がない
- 管理会社からの提案が無い
- 自分の考えで実地しない
など、様々な理由があげられます。なかでも、大規模修繕やらない理由第1位は「資金的な悩み」です。
費用の問題については、次の様な解決方法があります。
「資金的な余裕がない」問題をクリアする4つのヒント
「大規模修繕の時期になってはいるが、資金的に余裕がなく、工事を実施したくても踏み出せない」という方も少なくないと思います。そんな方の為に、工事費用を抑える4つのポイントをご紹介させていただきます。ぜひ参考にしてみてください。
(1)複数見積もりによる業者選定でコストを抑える
複数の業者に見積もりをお願いし検討すること(相見積もり)により、工事の価格相場を知ることができるので業者を選定しやすくなります。他にも外壁修繕工事には塗装や防水工事などの様々な工事が行われますが、工事に関与する会社が多ければ多いほど、各会社の中間マージンが発生するので工事費用が高くなります。
同じ工事内容でも扱う業者によって費用が変わりますので複数の業者から相見積もりをして適正な業者を選びましょう。
(2)修繕費計上で節税
大規模修繕の費用は経費として扱うことが可能になりますので、所得税の節税になります。工事内容によって経費として扱われないケースもありますが、基本的には建物の維持または原状回復の費用であれば修繕費用となり節税の対象となります。
修繕費用としてみなされる工事
雨水の侵入を防ぐ目的 | 外壁のひび割れや剥がれなどの補修工事 |
建物の美観を保つ目的 | 色あせてきた部分の塗装を補修する工事 |
災害でき損した箇所の補修目的 | 外壁のひび割れや剥がれなどの補修工事 |
(3)ローンの借り換えによる修繕費捻出
アパートローンを借り換えることで金利が下がり、「総支払額」を少なくすることが出来ると、借り換えローンで生じた差額を修繕費にあてる事が出来ます。
しかしローンの借り換えには新規の借り入れと同等以上の手間と費用がかかるデメリットもあります。
借り換えの際に発生する費用としては次の3点です。
- 既存ローンの違約金
- 事務手数料
- 登記費用
ローンの借り換えは必ずしも、メリットがあるわけではなく、ローン残債や条件次第ではデメリットが大きい場合もございますので注意しましょう。
(4)賃貸住宅修繕共済を利用する
2021年に全国賃貸住宅修繕協同組合が発足し、修繕に特化した共済制度がスタートしました。
賃貸住宅修繕共済は、修繕共済と火災修繕共済を組み合わせた共済金制度です。木造なら築30年以内、木造以外なら築40年以内の賃貸住宅で、屋根および外壁の修繕について共済金が支払われます。10年~50年の間で任意で設定した共済期間を経てどの程度の修繕が想定されるかをあらかじめ算出して、希望する補償額に応じて掛け金が決まります。
共済加入のメリットとして
- 共済を利用することで、大規模修繕の資金確保の課題解決につながること。
- 毎月の掛け金が全額必要経費として扱うことができる。
- 相続・事業継承により継承できる
などがあげられます
注意事項としては
- 共済対象は「外壁」「屋根」「軒裏」に限られるので、共用部の塗装や、設備交換費用は含まれない
- 毎年、定期検査が必要となる
- 資金積み立てではなく掛け捨て共済である
などがあります。
当社は「賃貸住宅修繕共済」代理店です。詳しいご説明を望まれる場合は下記連絡先からご連絡ください
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円安の影響、物価の高騰により、修繕費用も変化しています。かといって、修繕せずにそのまま放置すると予期せぬ事故にまで発展する場合があります。人にケガさせたりして、高額な賠償金を支払わなくていいように、建物の修繕は定期的に行うようにしてください
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