ペットが火災を引き起こす…というお話
- 2017年10月13日
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- ペット, 故障, 火災
動物と暮らすっていいですね、その存在に癒されます。ちまたでは「猫カフェ」とか「フクロウカフェ」がすごい人気です、最近は「ハリネズミカフェ」なんていうものも出現しているようで、生き物と触れ合えるカフェに連日たくさんの人が訪れるくらいに私たちは、日常的に生き物たちと触れ合うことを欲しているのですね。
一方で、今、幸運にもペットと一緒に暮らしている皆様、ペットによってお部屋で思わぬ事故や火災トラブルの事例が発生していると「nite(ナイト)-独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター」 リスク評価広報課から発表されたことをご存知ですか?
身近な動物が思わぬ火災事故を引き起こします
今回の報告は、ペットによる火災だけでなく、ペットを飼っていなくてもネズミや鳥などの小動物やゴキブリなどの害虫が引き起こしている事故も発生しているということですが、まずはペットに起因する事故についてお話しようと思います。
ペット及び小動物や害虫による事故はそれぞれ発生しやすい場所や製品に特徴があるので、それを把握し対策することで事故を未然に防ぎましょう。
ペット・小動物・害虫による事故のおよそ7割が火災に発展しています
nite(ナイト)独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センターのデータによると平成24年~平成28年までの5年間で発生した製品事故情報のうち、ペット、小動物、害虫に起因する事故は全部で78件発生しており、そのうちの72%にあたる56件が火災に至る事故である報告されています。
(1)ペットによる事故の特性
ペットによる事故は26件発生しています。それらをペットの種類別、事故発生製品別に分類したのが次の表です
猫による事故が多く、製品別ではガスコンロ、ファックス、プリンタの事故など
最も多い事故はガスコンロの事故で、犬や猫が点火スイッチに触れ火災に至ったと考えられるとnite(ナイト)の報告書には記載されています
つまみを回転させる形式のコンロではなく、プッシュバー、プッシュボタンを上から押しこむ方式で点火するコンロなどは、猫や犬がキッチンの上に飛び乗る足場代わりに押し込んでしまい点火してしまう可能性があります。日頃からプッシュバーのロックをかけておくことが必要ですね。
その他に、空気清浄や電気ストーブなど、床置きの家電製品の電源コードを犬が噛んだり、IH調理器やファックス・プリンターなど高い位置にある製品に猫が飛び乗ってスイッチを入れたり尿をかけたりする事故が発生しています。IHやガスコンロの事故は飼い主が調理器の上に可燃物を放置していたことも事故の被害を大きくしてしまう要因になっているといいます。
猫は床周辺だけでなく高い位置に飛び移ったりすることで行動範囲が広いためその分なにかとトラブルにつながっているようです。猫が悪いというよりも、猫の習性と行動特性を理解して、買主側で安全対策をとる必要があるのでしょうね。
(2)ペットによる事故の事例
ペットによる事故の例
① 飼い主の不在時に猫がこんろのスイッチを入れた
【事故発生時期】 | 平成28年4月12日(埼玉県、年齢性別不明、拡大被害) |
【事故の内容】 | 飼い主が外出中にガスコンロの周辺が焼損 |
【事故の原因】 | 室内で飼っていた猫がガスコンロの点火スイッチに触れてガスコンロを点火させた疑い |
② 猫がファクシミリに尿を掛け発火
【事故発生時期】 | 平成 28 年 4 月 24 日(千葉県、年齢性別不明、拡大被害) |
【事故の内容】 | 飼い主が就寝中、ファクシミリと周辺を焼損する火災が発生 |
【事故の原因】 | 家では複数匹の猫が飼育されており、猫がファクシミリに尿を掛けたことにより内部の電気部品でトラッキングが発生し、発火したものと考えられる。 |
③犬がバッテリーを噛み発火
【事故発生時期】 | 平成 25 年 12 月 6 日(香川県、50 歳代・女性、拡大被害) |
【事故の内容】 | 飼い主が充電後放置していたルーター用のリチウムイオンバッテリーが発火し、製品及び周囲を焼損した。 |
【事故の原因】 |
飼い主が製品を放置して外出した際に、室内で飼っている犬が製品にかみつき、製品を変形させたためと見られる。バッテリーパックには局所的な力が加わったことを示すへこみが認められた。 |
ペットが引き起こした事故の中には、犬や猫がガスこんろやIH調理器などのスイッチを入れて火災に至った事例もあります。ペットが跳び乗ったり、押したりしてもスイッチが入らないよう、機器に安全ロックを掛け、出掛ける際はペットをケージに入れておく、ガスの元栓を閉める、電気製品はプラグを抜く、近くに可燃物を置かないなどの対策をしましょう。
(4)ペットによる事故・火災を未然に防ぐために
1.出掛けるときは、電気製品のプラグを抜く。ガスの元栓を締める。
ペットが、ガスコンロや、IH調理器に寄りかかったり、飛び乗ったりすることで、スイッチが入ってしまう可能性があるので、ガスコンロは、安全ロックがあればロックし、元栓を締めておくようにしましょう。
電気製品はプラグを抜いてしまうことが重要です。
ガスコンロやIH調理器具の周りには可燃物を放置しないようにします
2.危険性のあるものは保管場所に注意する
ペットは小さなものを口に入れ、かみついてしまうことがあります。スマホやモバイルバッテリーなど、外力が加えられることでショートし、破裂・発火に至る危険がある製品は放置せず、ペットが触れない場所に保管しましょう。
3.目を離す際はケージに入れる
飼い主の目が届かない際に発生する事故が後を絶ちません。出掛ける際は室内で放し飼いせずにケージに入れておくなども、大切なペットを火災から守るために有効な対策です。
4.社告・リコール製品かどうか確認する
ペットによる事故事例が報告されているものの中には、社告により無償点検などされている製品もあります。お使いの製品が社告・リコール対象製品かどうか、確認してください。もし、社告・リコール製品の場合は、すぐに使用を中止して、製造事業者などに問い合わせてくださ
い。
■ペット飼っていなくても事故や火災が起こり得る!?
小動物や虫による事故にご注意ください
ペットを飼っていないから安心!というワケではありません。部屋の外にいる小動物や虫などが原因で事故や火災が発生した事例があります。
ペット及び小動物や害虫による事故はそれぞれ発生しやすい場所や製品に特徴があるので、それを把握し対策することで事故を未然に防ぎましょう。
詳しくは : 「ペットを飼っていなくても火災につながる事例の話」でお伝えします
参考資料
独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター リスク評価広報課
http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2017fy/prs170824.html